KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

何度会っても楽しいのだから仕方がない

雨上がりの夕刻、場所は長原。
ちょうどフォーユー相良さんと入れ違い。

表玄関で相良さんはわたしが来るのを待っていてくれた。

お疲れ様、と互い声をかけ合った。
業務のちょっとした合間、連れとのこんなやりとりひとつで元気が湧いて出る。

わたしも頑張ろう。
そう思って手を振って別れた。

業務を終え事務所に戻る。
仕事が大挙押し寄せるなかツバメ君はアップアップだが、この日わたしの気分は弾んでいる。

久々の五鉄。
集まるのは33期。

気心知れた仲間とくつろいで過ごせる。
しかも五鉄であるから料理も格別だ。
ニヤけずにはいられない。

午後8時前、北新地駅を降りアバンザ裏にある五鉄に向かう。
途中、レオニダスに寄り家内への土産も忘れない。

店に着くとすでに岡本くんの姿があった。
先に二人ではじめることにした。

子ども談義で盛り上がっていると店の戸が開いて精悍な男性が顔を覗かせる。
谷口だ。

3人で乾杯し合って料理をつつく。

古い仲だかいまだにはじめて耳にする話が尽きない。
谷口がなぜ糖尿病の専門医になったのか、わたしはこれまで知らなかった。

きっかけは学生時代に参加した山の麓でのサマーキャンプ。
そこに糖尿病の少年がいたのだという。
年端もいかない少年が自分でインスリンの注射する姿を目にして、何かできないだろうかと糖尿病が自らのテーマになった。

以来、大学の研究室に在籍時もイギリス赴任中も、そして開業してからも一貫してテーマは揺らがず彼の芯のようなものになった。

クリニックでは珍しく、尼崎のたにぐちクリニックでは採血したその場で結果が分かるが、その高額な設備の導入も谷口の志の延長線上にある話だと思えば納得できる。

それに加えて日頃の節制も欠かさない。
患者さんに説く身として、まずは隗より始めよということである。
ストイックに徹し、食べ物レベルの日常的な知見も深めて治療に役立てる。

まさに専門医と名乗るにふさわしい在り方だろう。

そうこうするうち、もう一人のメンバーが現れた。
この日もハードワークだったのだろう、隣に座った高岡さんは実に清々しい表情であった。
患者さん目線が徹底し、阪神間で最も技量あって良心的な歯科医と言って間違いない。

更けゆく夜、肩の力抜きのんびり話せていつまでも楽しい。
10代の頃と変わらぬくつろぎを満喫するうち、終電の時間が迫ってきた。
明日は診察が早いからという岡本と別れ、高岡さんと谷口と電車で帰った。

来月は地元の寿司屋を予約する。
何度会っても楽しいのだから仕方がない。

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André Kertèsz, The card players, Paris 1926.