KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

ゴールドとシルバーの粒子が舞う街


真向かいの公園で鳥たちが一斉にさえずり始めた。
一体何種類の鳥が騒いでいるのだろう。発せられる多様な音色が耳に心地いい。

腕時計を見ると朝5:07。
前の晩にマッサージ屋で90分しっかりカラダを揉んでもらったからであろう、疲れも抜け気分よく目覚めることができた。

代車の軽自動車に乗って事務所に向かう。
ガタゴトガタゴト、乗り心地は今ひとつ。
しかしその程度のこと、体調良ければ気にもならない。

朝9時までに一日分の業務を片付け、ツバメ君の到来を待って一人芦屋に向かう。


阪神電車の各停に乗る。
電車に乗るなら、ゆったり座ってくつろげる各停がいい。

シャキシャキ仕事こなせば各停に乗ってしばしスローダウンの時間にありつくことができる。

毎日新聞の記事に目が留まる。
市町村の平均所得ランキングが掲載されている。

全国ベスト10には港区、千代田区など東京の各地が軒並み名を連ねるが、4位に芦屋が入っている。
首都圏の経済の集積度を考えたとき、地方都市なのに4位に入るなんてやはり芦屋は並外れている。

地方版には大阪府内のランキングが並ぶ。
箕面、吹田、豊中、池田、茨木と北摂がずらりと並ぶ。
先日、北摂の来歴について聞いた内容を裏付けるデータと言えるだろう。


事業主の横に座って、各事業所を回る。
朝の軽とは比較にならぬ高級車。
革張りシートの居住感に仕事忘れ、ドライブに連れられるような行楽気分に陥りそうになる。

もちろんいくらシートがふかふかであっても、要所要所、出力全開気合ほとばしらせて業務をこなすのに支障はない。

芦屋を皮切りに岡本、苦楽園、そして山伝いの道を通って逆瀬川を巡る。
一体なぜなのだろう、空気にゴールドやシルバーの粒子でもまぶされているのだろうか、ここら街並みは大阪などとは大きく異なる。

木々の緑も空の青も鮮やかさが段違い。
何もかもがキラキラ光って見えるから不思議で仕方ない。

私が周囲の光景に見入っていると事業主が言う。
同じように見えて、苦楽園が一番凄い。

どう凄いのですか、と問う私に事業主が、これは関係者に聞いたのだが、と前置きし教えくれる。

最も値の張る上物、例えば、最高級の魚介などは、苦楽園店に配送される。
同じ屋号の高級スーパーであっても、地域によって高級品の配分に関して優先順位があるらしい。

客単価が高く、購買に勢いがあるような地域でないと、高級な食材は売れない。
売れ残ってしまっては高級品もかたなしとなる。
そのリスクを避けるため、今だと、優先順位は苦楽園が筆頭で、続いて箕面、次に門戸、芦屋はその後になる。

芦屋は高齢化が進みやや勢いがしぼんでいるのか、必ずしも上物から売れていくということはなく、売れ残ることもしばしばであり、それなら、若き高所得者増え続ける門戸で売ったほうがさばける可能性が高い、今はそのような傾向なのだという。

いずれにせよ、売れ残りの値下げ商品をストライクゾーンとする我が家には、全く関係のない世界の話だ。

事業主に教えられ、ホリエモン近畿大学の卒業式でしたというスピーチをyoutubeで見ながら帰途の電車に揺られる。
なるほど、これはいい話だ、ためになる。
子らにも見せなければならない。


家に戻ると二男がプリントを寄越してくる。
父親聖書教室申込書、とある。

月1回、学校の視聴覚室で聖書について学ぶ催しが開かれるようである。
土曜日夕方4時からのスタートであるから、その後は、父親同士、聖杯酌み交わす流れとなるのだろうか。

忙しさ極まる我が身を思い後退りする一方で、33期を代表し参加して皆に報告せねばならないような気も生じ、逡巡を繰り返すうち、申込みだけはすることにした。

今日18日が初回だが、次回以降参加できるなら参加してみるつもりである。
かつて、倫理の時間、オーアサと神様について話し合ったことが懐かしい。


長男が私の寝床に来て少し話をしていった。

この日、学校に大阪ローカルの「ちんちんぶいぶい」という番組が取材に来たという。

レポーターは、目を覆いたくなるような自虐芸が売り物の、面白くないことを堂々と自認するあのお笑い芸人だ。

授業が終わって帰ろうとするとき、そのお笑い芸人がスタッフに切れて怒鳴っている場面に出くわした。
同級生皆が震え上がってしまうほどの剣幕だった。

おもろないどころか、ただの怖い大阪のおっさんやんか、皆そう思ったというが、怒鳴るにしても時と場を心得るべきだろう。

怒鳴るシーンを想像して頭から離れず、当の芸人の背筋凍りつくような自虐芸が、今後ますます、寒々しく見えてしまうことだろう。

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