KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

夢ではないかと頬をつねってみる

朝一番の業務を終え大阪駅へと向かう。

待ち合わせより早い到着となった。

朝5時から行動を共にする二男と大阪駅で時間をつぶす。

 

エスカレーターの先の階段を上がると庭園に出る。

そこで梅田界隈を眺望して過ごす。

 

サンダーバードが加賀温泉に到着したのは午後。

ホテルにチェックインのあと、そこらを歩く。

温泉街で地酒を試飲し九谷焼や漆塗を矯めつ眇めつしそして渓谷沿いを歩く。

 

鶴仙渓は素晴らしい。

沢の流れが岩にぶつかりしぶき上げ潤いある冷気が四方に飛散する。

あたりを覆う樹木が発する澄んだ緑の香りと相俟って、凛とした空気が満ちる。

そこにあるだけで深奥がざわざわと粟立ち覚醒するかのよう。

 

渓谷に張り渡された吊り橋はS字を描く。

下方の波濤を見下ろしつつその字をなぞって渡る。

 

夕飯前に野天の温泉につかる。

渓流せせらぐ強い振動が夜の空気を伝ってくる。

湯加減はほどよく肌に優しい。

生命再生の場にまさにあるのだと芯から実感する。

 

そして夕飯はおそるべきほどのカニ尽くしであった。

どれもがカニ料理の主役級。

隣人らが一度見てまた凝視するほどのカニ三昧。

 

茹でカニ、焼きガニ、鍋カニ、カニ天ぷら、カニ茶碗蒸し、刺身盛り合わせ、カニ饅頭、カニ茶碗蒸し、カニ飯、鴨そば、そして更に追加で、雑炊のための白飯と卵を注文したものだから、この日我ら黄金のカルテットはレジェンドとなった。

 

この夜、世界探してもこれだけのカニを食らい尽くした一行はないであろう。

 

そしてカニまみれの身体を温泉で再度清める。

ほどよい冷え込みの北陸の夜。

山あり谷ありの人生であるが、たまには頬つねって夢ではないかと疑うほど幸せな日もある。

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