KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

大阪星光学院33期夏会2016年


安くてうまい。
ミナミには裏ナンバと呼び親しまれる一帯があって名店ひしめき、週末金曜ともなれば飲み客でごった返す。

この日18:30、予約時間より30分早くわたしは一次会の店に入った。
誰よりも早く、という心がけを忘れたことがない。

二階にあがって驚いた。
柴田先生がシバテンを相手にすでにはじめていたのだった。
お銚子は三本目。
その横には柴田先生作成のプリント「33期生便り」が人数分積まれている。

このプリントには33期生の主な近況のほか、われわれが在校当時の担任の先生や合宿行事の期間と参加人数、校内校外の主な出来事が年表となって記されている。

わたしたちは6年で20回も合宿したのだとこのプリントで知って驚いた。
われわれは寝起きともにした兄弟みたいなものである。

おまえも飲め、と柴田先生がわたしにも日本酒を注ぐ。

喉はカラカラ、最初の一杯はビールから。
このクチビルはビールのために。
そう心づもりしていたのであったが固辞できるはずはなく、わたしは不本意な口づけを余儀なくされた。

しかし、お猪口の感触は柔らかくほんのり甘く、わたしは抵抗する力をたちまち奪われた。

日本酒酌み交わし思い出話に耽っていると、柴田先生が、出し抜けに言った。
おい、おまえら、色紙の用意はしてるんか?

我ら男子校。
きめ細かな気遣いから最も遠い生き物である。
色紙にまで頭は回らなかった。

シバテンがすぐに腰を上げた。
さすが陸の王者慶応。
ちょうど店に着いたばかりのハネ君を伴い、ハネを翼とするようにして飛び出して行った。
夜のミナミ、色紙探し求めるのは容易なことではないだろう。

まもなく、先頃河内長野市長選挙で当選したばかりの島田智明が現れ、33期のなか最もノーベル賞に近いという下馬評のワタル、この日の会計を取り仕切ってくれる公認会計士&税理士の清水章夫、そしてカネちゃん、セノーらが現れ、定刻、シバテンが手に色紙をひらひらさせながら舞い戻った。


他のメンバーの到来を待ちながら、宴が始まった。
タコちゃんが到着し乾杯、
タケダが到着し乾杯、
きょう先生が到着し乾杯、

一体なんど乾杯し続けたことだろう。
乾杯すればするほど目出たいムードが強まっていった。

キジが現れ乾杯し、
クラッチに続いてイヌイが現れ、そしてしんがり、ウエツキが現れ乾杯した。

一次会の会場には花が届けられていた。
贈り主から知らされていたのでわたしは知っていたが、店の人間が何も言ってこないので、無愛想仏頂面の店員を避け、恐る恐る聞いてみた。

お花が届いていると思うのですが。
そう切り出すだけでもかなりの勇気を要した。
なにしろ愛想悪い店員にはグラス一つ頼むのも躊躇われるほどだったのだ。

ほどなく、花は一階に置いてあるということが判明した。
それが上に運ばれるというようなことはなく、ただ判明しただけであった。

意を決し、わたしは階下に降りた。
勇気を振り絞って店員に声をかけた。

お花が一階にあると聞いたのですが。

あああれね、といった感じで若い男子店員が控え室のような場所へと姿を消し、やっとのこと、花束は日の目を見ることになった。

もしわたしが花の存在を知らなかったら、またわたしに勇気が欠如していたら、この花束を島田が手にすることはなかったかもしれない。
サプライズとして秘すべきだと店は判断したのかもしれないが、届いた花をどうすべきかせめて幹事役には確認すべきことだろう。

二階に花束を持って上がって、皆の前でそれを島田に渡し、そして写真を撮った。
グリと宗慶ニ、二人の友人からの祝福を無事、島田に届けることができた瞬間だった。


一次会終了間際、「子どもを守るために知っておきたいこと」の著者であるきょう先生から書籍にサインをもらうことを忘れなかった。

引き続きニ次会。

二次会の「ビストロあじと」は一次会の飲茶点心の店の隣のはずであった。
地図を確かめ、アリンコさんでも迷わない真隣の店を予約したのはわたしに他ならなかった。

しかしタコちゃんが、ビストロあじとはここじゃないと裏ナンバの奥地へと皆を引き連れ、柴田先生もお連れし歩き始めた。
主治医が言うのだから間違いない。
わたしもその後に付き従った。

そして歩くこと5分。
そこにあったのはダイニングあじとであった。
確かにあじとはあじとであるが、二次会の会場であるビストロあじとはやはりさっきの場所であった。
5分かけて戻る。

いい腹ごなしとなった。
男子校生にはこれくらいのエピソードがアクセントとして欠かせない。


二次会が始まった。
ますます貫禄増したソノダーが現れ、そして狭間研至が東京から駆けつけた。

なんと久々、イナダ君も現れてその若々しさにみなが驚いた。
モッチンからは間に合わない、との連絡があった。

びすとろアジトは、星光23期の古田氏が経営する店である。
おもてなしのレベルは抜群で、出される料理はおいしく、ワインがすすむ。
ピザはちょっとしたイタリアンよりはるかに美味しく、肉には身も心もとろけた。

大満足、終始一貫、楽しい宴となった。

親密さが空気のようにわたしたちを取り巻いていた。
やはりわたしたちは身内のようなものであった。

柴田先生の一本締めでお開きとなった。
一同満面の笑顔。

老骨にむち打ち島田の応援に尽力された柴田先生を労う趣旨の夏会であった。
まことめでたしめでたしの締め括りと言えた。

高島屋前のタクシー乗り場まで柴田先生をお見送りし、後続のタクシーにわたしは乗った。

2016年夏会は大好評をもって無事終幕となった。

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