KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

千代の富士について二男と話す

ちょうど二男がするように、わたしも新聞はスポーツ欄から見始めたものであった。
二男と同様、もっぱらタイガースの勝敗を確認するのであるが、相撲の星取表なども目に入る。

番付の最上段は白星ばかりでも珍しくないが、下の方なのに白星ばかりという存在があると目にくっきりと飛び込むことになる。

相撲界の常識から言っても、番付の下位はいくら成長株であっても勝ったり負けたりして強くなっていくのが相場であって、いきなりその「分際」で連勝街道ひた走るなどあり得ないことであった。

多くはそのように、凄い力士が現れたのだと、千代の富士の存在を知ることになった。
そして、その白く染め抜かれた番付はぐんぐん上へと一気に駆け上がっていくのであった。

夏の行楽から戻った二男とともに夕飯を食べつつ、千代の富士について語る。
おみやげの浜松餃子がやたらと美味しくビールがすすむ。

千代の富士が引退したのは、二男が生まれるはるか前のことであった。
しかし、キン肉マンに登場するウルフマンのことなら彼も知っている。

ウルフマンがインデックスとなって、二男のなか千代の富士の存在が確固と位置づけられる。

感傷も手伝ってついつい饒舌となる。
でっぷりとしたお相撲さんのなかにあって、あの精悍な体つきは際立って美しいものであった。
それに最強でもあった。
マイク・タイソン相手でも全盛期の千代の富士なら互角に渡り合ったかもしれない。

千を超える白星を重ねるも、引退のときが訪れる。
その会見の場面は誰の記憶にも深く刻まれた。

体力の限界、そう言ったあと千代の富士は言葉に詰まった。
その数瞬間の沈黙に誰もが共感を覚え感極まった。
本当に偉大な横綱であった。

死があまりにも早過ぎる。
とんでもなく強い男がいなくなったということを思えば思うほど、寂しくて仕方ないような気持ちになる。

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20160802123700j:plain