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KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

マルズの皆さん、ありがとうございました。

姫路港を出て午前中を海上で過ごす。
海を渡る風は少しひんやり心地よく、視界さえぎるもののない風景に日頃蓄積した心中の澱が洗い流されていくかのよう。

波間近な視線で過ごすからだろう快活な野生がよみがえり、いたってシンプル、喜び基調のメンタルが復元していく。
たまには海で過ごすのも大事なことなのだろう。

数々の漁獲スポットを巡って正午過ぎ、船首は港を向いた。
待ちに待った昼食だ。

自然のなかどっぷり身を置くと腹が減る。
食事にありつけるということがただただ嬉しい。

家島の船着き場、みなと食堂二階に席が設けられていた。
マルズの店主が陣取るテーブルにわたしたち家族は腰掛けた。

名店マルズと言えば神戸大倉山。
神戸大学医学部病院にちょうど隣接する場所にあって、知る人だけが通って常連となるような文字通りの隠れ家的な名店である。

その店主が家島のご出身で、毎年この日、ここら一帯の漁場を仕切ってなじみ客らを歓待する。

所狭しと並べられる魚料理の豪華さといったらない。
どの皿も主役級のオールスターメンバーの揃い踏み。
イシダイ、タイ、ウマヅラハギ、イカ、イカスミ付きの刺し身、ヒラメにカレイにトコブシ、そしてサバの刺身にタイソーメンまで。

とても食べ切れる分量ではない。

マルズ店主が滝川高校出身で甲子園に二回出場したという話になって、同じテーブルにも甲子園出場を果たした滝川の後輩が二人おり、そのうちお一人は法政に進んで田淵、山本、富田という法政三羽烏と同期だったということで、甲子園と神宮を行き来して野球談義に花が咲いた。

かつての高校球児はお酒も強く、サービス精神あふれて、際限なくわたしにも家内にもお酒を注いでくれる。
飯は美味しくお酒もうまい。

窓の向こうは海。
半世紀も前から変わらぬ港の景色がそこに見える。
1960年代、甲子園で活躍したおじさんらの姿をセピアの画像で思い浮かべるのに格好のロケーションと言えた。

一日の贅がこの昼食で尽くされたようなものであった。
我が家での夕食の宴はまた次回ということにし姫路にて解散となった。

しかしそれにしても、オカモトくん家族の体力には恐れ入った。
この後マルズで魚をさばくというのだから、舌を巻く。

オカモトくんの奥さんにしても、この会の幹事を果たされたそのお姉さんにしても、さすがは医師。
職業柄、体力の鍛えられ方がそんじょそこらのものではないのだろう。
それに気遣い心配りも百点満点であった。
甲子園の奥窪耳鼻咽喉科が地元で頼りにされているのも頷ける。

そして、この日、特筆の思い出は二人のキッズ。
聡明快活で可愛らしく子どもらしさにあふれ好奇心旺盛、いつまでも走り回って底なしの元気さで光り輝いていた。
一緒に過ごせてとても楽しく、わたしたち夫婦はすっかり二人のファンになった。

そのように過ごし、わたしたちはクタクタになって帰宅した。
わたしはバタンキューであったが、なんと家内はクタクタのはずなのにひと休みすることもなく、youtubeでお手本を見ながら分けてもらったクラーボックス一杯のタイとヒラメをさばき始めた。
見事なお手並み、手際良さ。
さすが名門出身、大学時代にゴルフ部で鳴らしたという話も納得だ。

体力の優劣を鮮烈に見せつけられたようなものである。
バタンキューしたままこの先ずっとわたしの頭は上がらない。

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