KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

道に迷っても、意気揚々

朝一番の訪問先は府内きっての工業地域。
目指す事業所にかなり早めの到着となった。

駐車エリアに入ると、ほぼ満車。

こういうときは遠慮する。
一介の出入り業者の分際で貴重なスペースを占めるなど不届き千万な話だろう。

いったん外に出てあたりを徘徊する。
外向きの螺旋を描いてぐるぐる回るが、あいにくどのパーキングも満杯で塞がっている。

どんどん離れていくがやむを得ない。
ようやく空きを見つけたコインパークで手を打った。

すぐ近くにファミリーマートがあって目に焼き付けた。
これでこの場所を忘れることはないだろう。

先日のこと。
うちに来所した方との面談のあと、事務所近くで同じその方とばったり出くわした。
聞けばクルマをどこに停めたか忘れてしまって道に迷っているということだった。

幸い、写真があった。
こんなこともあろうかと知らぬ地でクルマを停める際には必ず付近の写真を撮るそうだ。

地元民が見れば一目瞭然。
わたしはその方を駐車場までお連れした。

そのようなことがあったので、念のためわたしも目印を定めておくことにしたのだった。

汗ばむ程度の距離を歩いて訪問予定の事業所に戻る。
予定の時間ジャストで始まる面談となった。

初対面であり年齢差もあってどことなくぎこちない空気が滞留していたが、いろいろ話を聞くうち、事業主が慶応出身だと分かった。
わたしは慶応ではないが親近感湧いて、早稲田話を持ち出した。

話題がたちまち膨れ上がって大いに盛り上がり、一気に距離が近くなったように感じられた。
早慶というのもいいものだ。
それで取り払われる垣根もあるから、邪魔にはならない。

おかげで収穫大の初顔合わせとなった。
次の約束をし、固く握手しその場を辞した。

意気揚々、わたしは目に入ったファミマを目指して歩き始めた。

しかし、たしかこの辺りと思った付近の地形に思い当たるフシがない。
そこら歩き回っても、クルマを停めた駐車場の片鱗すら見つけることができない。

まるで迷子。
不安が募る。

現場百遍の鉄則に従い、ファミマに戻ってまた辿り直す。
が、結果は同じ。

次の予定が迫る。
焦燥に駆られ手当たり次第に歩き回って探したいような衝動が込み上がるがなんとか抑える。

立ち止まって考えた。
その瞬間、一つの仮説に光が当たった。

この界隈にファミマが複数あって、わたしはファミマを取り違えたのではないか。

グーグルマップを覗くと案の定。
同じ道路上、先程の事業所を南北に挟むかたちで2つのファミマがあった。

生来の方向音痴。
先に目に入ったファミマがそれだと思い込み、南北逆さ伝いにわたしは歩き出してしまったのだった。

反対側のファミマこそ、わたしの帰るべき場所だった。
すぐ近く、晴れて愛車と再会となって安堵した。

幸先好調。
今日もまた楽しいこと盛りだくさんな一日となるに違いない。
意気揚々、わたしは次の目的地へ向けクルマを発進させた。

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Werner Bischof, Recreation Naarva, Finland 1948.