KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

一緒に旅立つかのような気分

仕事を終え宝塚から梅田に向かう。

海外用変換プラグの購入をすっかり忘れていた。
出発は明日に迫る。

空港でも買えるのだろうが便が朝早いから気ぜわしい。
いまこのタイミングで買い求めるのがベストだろう。

しかしプラグ一つの購入もここ梅田では簡単なことではなかった。

梅田駅の改札を抜けた途端、人波に気圧された。
土曜の午後、梅田。
一体なんの騒ぎなのだろう。
地は人人人で埋め尽くされ、それが波状にうねって勢い止むことがない。

単に前に進むだけで難儀する。
数歩で滅入ってひと気ない地帯を探すが、そんなものはどこにもない。
進むも地獄、退くも地獄。

次第、わたしの表情は険しさを増していった。
般若の顔しては跳ね返されて行きたいところへたどり着けない。

行く手阻む巨大な波をぐっと睨んで、空いたスペースに素早くカラダを入れていく。
そうしてなんとかヨドバシカメラに潜り込んだのであったが、ここも当然に人の渦。

何を好き好んでこんなにも寄ってたかって密集し合うのだ、その心が分からない。

何度も挫けそうになったが、わたしも男の端くれ。
初志貫徹し、三階旅行品売り場でプラグを無事手に入れた。

これでわたしの果たすべき支度は整った。
プラグの他、海外傷害保険の手続きも終えたし、向こうで使うキャッシュパスポートも準備万端。

このキャッシュパスポートが子に持たせるには重宝し、長男のときも大活躍であった。
プリペイド式なので、必要分を親は口座に入れるだけ。
その額を限度に、異国においてクレジットカードみたいに使うことができる。

それに使用履歴がアカウント画面に集約されるので、どこで何を買ったのかが一目瞭然。
支払った先のお店や施設の位置をグーグルマップで調べ、ホームページを閲覧したものであった。

鉄道マニアが時刻表繰って旅行気分を味わえるように、それでわたしも旅情を味わえた。

旅支度について言えば、一方の家内も抜かりない。
当地で出合うことになる世界各地の仲間に分けるお土産も含め既にすべて整っている。

あとはいよいよ送り出すだけ。
長男のときにそうであったように、その飛行機が飛び立って見えなくなるまで夫婦で見送る。

たったひとりの旅のはじまりはじまり。

が、なぜなのだろう。
わたしたちも一緒に旅立つような気分であるから不思議なものである。

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Allan GrantRoute 30, USA 1948.