KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

コツコツ静かな日常を積み重ねていく

いつもは2号線を通って帰るが、この日は淀川花火大会が行われる。
うっかり迷い込んでしまうと動けなくなる。

43号線に向かうことにする。

クルマを走らせていると急に視界が一変した。
雨であった。
何が起こったのか一瞬分からないくらいの大量の雨が一気に降り出してきたのだった。

ちょうど花火大会はオープニングの頃合いだろう。
まさに雲行き怪しく、この雨では中止やむなしとなるのではないだろうか。

そんなことを思いつつ43号線に入り淀川にかかる伝法大橋に差し掛かった。

クルマの流れはいたってスムーズ。
容赦なく打ち付ける雨のせいで視界不良ではあるが43号線を選んだ状況判断は正しかった。

橋を横断していると、目尻の端に光が灯った。

まさかと思うが目を向けずともはっきり分かった。
花火が打ち上がりはじめたのだった。

瞬間目をやってみる。
いくつもの花火が夜空に花開いている。
雨のなかであるからこれぞ愛の水中花。
あの曲がヒットしたのはいつ頃のことだっただろうか。

淀川花火と言えばいまや大阪屈指の大イベントである。
雨くらいで取りやめるような話ではないのだろう。

目尻の端にかする程度であったが花火見物ができ運が良かった。
家内へのみやげ話にもなる。

西宮に着いた頃にはもう雨はあがっていた。
いっときだけの通り雨だったのだろう。

帰りを待っていた家内と家で夕飯。
家内はこの日ボランティアとして町のふれあい祭りを手伝った。
両隣の奥さんらとチームを組みたこせんを作って公園で振る舞ったのだという。

暑いなか終日の全力投球であるからくたびれ果てているはずなのに夕飯を作るところはさすがである。

ステーキが焼き上がり、隣家の青森みやげのにんにくがスライスされて添えられた。
春雨とアボガドのサラダに、きゅうりの酢の物もあって野菜も十分。

赤ワインで乾杯し、家内は二万語話しわたしは花火の話をした。

もはや人波かき分け花火見物するほどは若くない。
お家が一番。

コツコツ静かな日常を積み重ね、地味で質素な呼吸感のようなものが子らに伝わっていく、それで親は役目を果たしたことになるのだろう。

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Cristina Garcia-Rodero, At the crops, Spain 1988.