KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

炎天下でのステージ、目に焼き付いた

学校前にバスが停まり、ほぼすべての乗客がそこで降りた。

ちょうど正午。

 

胸すくような秋の青空が広がっているが日差しは強い。

校門前で配られる団扇は終日手放せないものとなった。

 

吹奏楽部の演奏がまもなく始まる。

家内とともに人波かきわけ体育館に向かった。

 

中1の頃からその名は知れ渡っている。

今回の文化祭では実行委員長。

学業優秀で喧嘩が強く多芸多才。

 

彼が打ち叩く和太鼓が館内に響き渡って血が騒ぎ、わたしは着いた先から場に満ちる若き賑わいに同化していくことになった。

 

順々に長男の友人が出演するプログラムの会場を渡り歩く。

改めて思い知ったのであるが、レベル高いパフォーマンスを披露する彼らは誰も彼もがひときわ強く光る一等星級の者らであった。

 

歌や喋りや楽器やダンスで場を掌握するその姿は甲乙つけがたく存在感にあふれ魅力的で、中1から見知った彼らの成長ぶりに胸熱くなるようなものを感じた。

 

この先どのような局面においても個としての表現力を問われることになる。

何者なのか。

それを周囲に告げ知らせるオーラの素がすでに彼ら若き身体に宿っている。

 

黙っていても雄弁、動いて話せば更に説得力が増す。

 

いまはまだ初々しく荒削りであっても、歳重ねるごとに只者でない本領を発揮していくことだろう。

どこに置かれても、いずれは先頭に立つ者となる。

 

そんな凛乎とした若人が何人もいるのだから中身濃厚な文化祭と言えた。

文字通りテーマは「彩」。

今回の統括学年は異能示す者ら集ってまさに百花繚乱の色彩を放っている。

 

そしていよいよ午後2時。

ダンス大会は気温うなぎのぼりの屋外にて開演となった。

 

長男の登場は二組目。

家内は最前列、わたしは最後列からステージを見守る。

 

一組目は受けを狙ったような宴会芸的ダンスであったが、二組目は打って変わってクールさを追及する真剣なダンス。

男前らの一角をなし、長男が踊り始めた。

頭上から明度高い光が炎熱とともに降り注ぎ彼らをギンギンに照らす。

ライブ感はいや増しとなり躍動感も増す。

 

わたしも家内も息子を目で追い続けた。

カラダだってものを言う。

丈夫で強い体に恵まれて何よりである。

 

あとは閉会式を残すのみ。

体育館の開け放たれ扉の外から覗きみるようにしてわたしと家内はその行方を見守った。

 

式は一時間にも及んだが全校生徒を相手に安定感ある司会進行ぶりであった。

声量あってメリハリあってユーモアあって歯切れもいい。

大勢を前にしても息子が達者に喋ることができると分かったことは親として収穫であった。

 

心残りはオープニングのビデオ。

閉会式同様に開会式でも司会をつとめ、その開会式で文化祭のオープニングを飾るオリジナルビデオを公開したと人づてに聞いた。

長男らが企画し出演し制作した作品で、かなりの出来映えで好評だったという。

 

彼にとってはそのビデオがいわば総力結集の集大成であったはずであり、だからこれを目にしなければ文化祭を訪れたとしても画竜点睛を欠くということになる。

 

本人からその動画を貰い受けることは考え難い。

 

帰途立ち寄った寿司屋で家内と一日を労いつつ策を練った。

持つべきものは友、日頃の付き合いがものを言う。

締めの新香巻を食べるとき、入手経路が幾筋も見えてきた。

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