KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

ウルトラマンのピコピコ

ウルトラマンは3分しか地上で闘えなかった。
タイムリミットが近づくと、胸のカラータイマーがピコピコ点滅しはじめ、それが合図にようやく本腰入れて怪獣を倒すという段に入る。
仕事終えると、ウルトラマンはシュワッと空の彼方へ消え去っていく。

最近になって、ウルトラマンのカラータイマーを意識することが多くなった。
寄る年波か、自分自身の稼働限界時間を思い知ることが増えたのだと思う。

一日に何十時間も書類作成といった仕事ができる訳はなく、これまでも稼働限界はあったはずだが、まだ弾力性があった。
朝4時から仕事して、夕方にはヘトヘトになるが、いざとなれば、そこからまだ自らネジ巻いて仕事することができた。

長時間労働するための「コンディショニング」として、仕事の間に、水泳、サウナ、ジョギングなど色々工夫してきた。
適度に疲れている時は運動が効く、ぐったり疲労困憊している時は運動ご法度、サウナがいい。
コンディション整え、「第二波」を待つ。
第二波は必ずやってきた。そしてヘロヘロになるまで仕事するのだ。

しかし、最近、第二波がさっぱり来ない。
疲れ果てたところで、完全にシステムダウン。頭が白み、目が霞み、背中は重く、とてもこれ以上、書類作成が継続できないという状態に陥る。
そこからコンディション整えても、どう足掻いても「第二波」は来ない。
根性など、通用する世界ではない。
結局、復旧待って、翌朝の「第一波」に備えることになる。

ここしばらく、かつての長時間労働を取り戻すべく、第二波を呼び込むためのコンディショニングについて試行錯誤してきたがうまくいかない。
観念すべき潮時かと思い始めている。
ピッチャーでも投げる球数の上限目安がある。
書類屋も42歳になると連戦連投、ダブルヘッダー両方先発、なんて芸当はもうできないのだ。

労働時間を延ばすための工夫から、労働時間を抑制するやり繰りが必要となるターニングポイントに差し掛かったのか。
新しい仕事秩序を作り出すべき時なのだろう。

たとえば、書類作成の場合、目が醒めた瞬間から着手し、移動の時間まで継続。移動がない日は、そのまま作業を続行。
どうにも息が上ってもう限界となれば、そこでその日の書類作成はやめてしまう。
そう、やめてしまうのだ。往生際悪くじたばたしない。その日はそれでストップするのだ。
最長でも8時間。それ以上は続けない。翌日の作業に回す。
後は、外回りするなり、コンデョション整えるなり、読書するなり、自由とする。
そして早めに眠ってしまって、カラダを休め、回復を待つ。目が覚めれば、いきなり着手。
それを毎日続ける。

案外、持ち時間を限定してしまえば、必死のパッチ、むしろ能率は上がるかもしれない。
ウルトラマンだって、3分間のうち、最初の2分はモタモタしていた。結局1分で十分だったのだ。

ああ、これで気が楽になる。
悪あがきして、もっと長い時間仕事しようという強迫観念から逃れられる。
一日一回、ベスト尽して一気呵成奮闘すればいいだけなのだ。
そして、一仕事終えたら、後はシュワッと飛び去る。遠く遠くへ。