KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

良縁の決め手

晴れ渡り、5月だとは思えぬ寒さが一際極まる朝、頭から毛布被ってぐっすり眠る子らの寝姿を目に収め、出発する。

甲子園口駅の北口駅舎は、瓦屋根が特徴的で、郷愁を誘うようなこぢんまり落ち着いた佇まいである。
ホームから日曜の朝の静かで澄んだ甲子園口の街を見渡しつつ進む。

ホームの端、一組のカップルが目に入る。
おかめ顔の小さな女性の背中を、背の高い男前の青年が、寒さ和らげるよう、スキンシップでじゃれるよう、さすり続ける。

取り合わせが珍奇に映り、二度ほど凝視する。

滅多矢鱈、軽々しく口にする言葉でもないし、実際そのように感じることもまれであるが、久しく目にしないようなレベルで、その女性はブスであった。

視覚的なレベルに留まらないこの世のすべての醜悪さを凝縮したような、正視を拒絶するような悪相である。
うるさ型の性悪さが、ありあり伝わってくる。
胸に不快感が込み上がってくるほどだ。
休日朝の爽快感は雲散霧消した。

その青年は、真横にたって、背中までさすって、一体どうしてしまったのだろう。

かつて幼稚園の面接の際、園長先生に「お名前は?」と聞かれ、たった一言、「ブ~スッ~!」と痛罵し、面接そっちのけで園庭に走り去った長男は、今でこそ理知備わり、無礼な発言を抑制できるようになったけれど、この場にいれば、何か不適切な発言を聞こえよがし漏らしたかもしれない。

贅沢は言わない。
普通に気立が良くて、料理が上手、しっかり者で努力家、地に足着いた生活感があって、ちゃんと男性を立てる知性を有し、ひとなみ程度には器量良し、それに加えて、ネジは緩めの調節でリラックスできるような女性であれば、誰だっていいけれど、これは堪忍してもらわねばならない。

女性についてはことの真相を先々知り始めていくだろうが、 群盲象を撫でるかのようなペースとなるのはやむを得ない。
世間には、女性の皮を被ったような獣物、魔物がいるということだけは肝に銘じて置かねばならない。
そして古今東西、それら魑魅魍魎は、凄まじいほど獣臭漂う薄汚い本性を気配まで完璧に消し去り猫かぶり、しかるべき後、じわじわ尻尾出して、生殺しの責苦の宴を開始するのである。

ちょっと大げさだけれど、良い女性と巡り合うには、それくらいに思っておいて、ちょうどいいのではないだろうか。