KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

一日一食β作戦

昼の時間を指定されたので、てっきりランチでも食べながらのミーティングだと思い込んでいた。
当然、腹には何も入れてない。

会社を訪れ、会議室に着席するや議事が始まる。
食事の場に出ようとか、何か弁当が出るとか、そのような様子は一切ない。

そうか、会議が一段落してからの食事となるのだな。
それまでは辛抱だと腹をくくる。

1時間ほど話し合いが続き、決まるべきことが決まり、作業スケジュールも定まった。

くつろいだ雰囲気のなか、世間話が始まる。

「なんでお昼にお腹が空くか分かりますか?」
なぞなぞみたいな質問を唐突に投げ掛けられる。
首をかしげていると、解説が始まった。

「朝ご飯を食べるからですよ。朝食べて血糖値が意味なくあがって、それが11時には急降下する、それが空腹の正体です」

コロンブスの卵のみたいな話ですねと大げさに驚いてみせるが内心考える。
おかしなロジックではないか。
なんで電車に乗ると息が静まるか分かりますか、それは電車に乗る前に駅の階段を走ってのぼったからなんですよ、みたいな話ではないか。

会議のメンバー全員が、一日一食ダイエットを始めているという。
そう言えば、皆が皆、一頃に比べはるかに精悍だ。

人間はね、一日一食で十分なのですよ。
豊かになったはいいが飽食して胃腸を酷使し過ぎた上に、摂取カロリーオーバーで病気になる。
何をやっていることやら。
ああ、夜になれば食べられる、そう思えば、日中食事なしでもへっちゃらです。
夜はすぐに来るのですから。
しかも毎日。

帰途、滅法空腹なので、本来であればラーメンに加え何か一品添えてという昼食をとったであろうが、考えるところがあってざるそば一枚で済ませた。

近頃示し合わせたみたいに、同年代からやや年上の諸先輩らがスリムになっている。
私が知らぬところでブームにでもなっているかのようだ。

今こそ始めよ、という神からのメッセージなのだろうか。
ちょうど、疑問に感じていることもあった。
体重が90キロを示したお盆以降、2時間を越えるパワーウォーク、1時間に及ぶ水泳など、連日運動量を大幅増強したにも関わらず、92.4キロとなったのであった。
食事量は増えていないにも関わらず。

ベルトは心持ち緩んでいるが、体重は、おいおい冗談きついぜという程の増え方だ。
いろいろ仮説を考えた末に、結論に達した。
私の腹の中に特殊な酵素が存在して、葉っぱ一枚を強固な肉片に換えるような働きをしている。
その酵素が運動すればするほど活性化される。
これ以外に考えようがない。
寝てる間に誰かがカロリーを注入しているのだという考えより遥かに説得力がある。

意気揚々と掲げた健康化計画は体重の点で暗礁に乗り上げていた。
一日一食ダイエットは、そのタイミングを捉えてもたらされた絶妙の啓示のようなものとなったのである。

昨日から始めた。
ひとまずは一日一食β作戦。
いきなり完全な一食主義は無理である。
1.8食くらいを目安にする。
昼食を夜までのつなぎの間食と位置づける。
必ず朝は抜き、夜までの間食を徐々に減らし、1.5食を経て、1.2食の一日一食α作戦へと移行できれば上々だろう。

朝は、高千穂牧場の飲むヨーグルトとカゴメの野菜ジュースでしのぐ。
昼まで持ち堪え、昨日はパワーウォーク前に新発売の吉野家の牛焼肉丼を、上側三分の一だけ食べる。
これは相当に美味い。
帰宅した夜9時にコンビニのサンドイッチを食べビール2本。
もちろん食事とビールの前に炭酸水Talking Rainを飲み干す。

今朝は昨日ほど空腹を感じない。
朝食を抜くと、ひどくお腹が空くという状態を解消できるのかもしれない。
どうやら、習慣化させることができそうだ。
なにより、周囲がやっているのである。
一人だけデブでブクブクしてられない。
太っているなんて、自分の体と精神に向き合うことのできないだらしないろくでなし、という思いにまでなってきた。
デブを憎んで人を憎まず、としなければならないが。