KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

中学受験を振り返って(さあ33期会)

場所は北新地、人気焼鳥屋の元気という店だった。
公認会計士章夫が忙しい合間を縫って毎度毎度ナイスな店をチョイスしてくれる。
そぼ降る雨の中、梅田から歩いて向かう。
この程度なら傘は不要だ。

こじんまりと膝付き合わせてじっくり呑む序盤。
次第に賑やかな会話が多角形の対角線結ぶように繰り広げられあっと言う間に時間が過ぎる。
こんなに楽しいならまた何度でも声をかけてまたちょくちょく集まろう。

今回の最大の名場面は、長らく顔を見ていなかった我ら33期最強の高安くんが颯爽と現れたことだろう。
さすが押しも押されぬ凄腕弁護士。
渋いほどに精悍な面構えとなっていた。

今回平日の開催となったのは、日頃、アメリカ、ヨーロッパ、シンガポール、世界各地の会議出席のため日本にいることのない島田智明の都合に合わせたからであった。
島田も日々研鑽を積み、ちょっと見ぬ間に更に見識高めその能力をますます増しているように見えた。

近所に住む甲子園口組が3人いたので連れ立って電車に乗って帰る。
最終に近い電車は思った以上に混んでいた。
何でいい大人が集まってタクシーに乗らないのか。
電車があるなら電車に乗る、それが我ら甲子園口組の気質なのだろう。

受験でお家に招けなかったが、間もなく花見のシーズンとなる。
その頃合い、近所のよしみ家族で集まってワインを飲もうと企画が成立した。
フェリーニの映画のラストのように登場人物みなを招いて我が家で飲めや歌えの大団円というのもいいかもしれない。
家内は大変だが、それくらいの料理はこなせるだろう。

盛会のミニ同窓会であったが話に夢中で肝心の焼鳥を味わっていなかった。
それで出張の翌日、家内が予約したさくら夙川の鶏天を訪れた。
子らは、勉強するというのでついてこなかった。
だんだんそのようになっていくのだろう。
ワインが美味しく白に赤にしたたか飲んで、腹ごなしがてら歩いて帰途についた。

仕事柄、ただでさえ会食の機会が多い。
年末年始は激務が続き、まるで溺れている人間が藁をも掴むように、水面に浮上した途端にがばーと大口を開けてありったけの空気を吸い込むみたいに、食べて飲む、という傾向になりがちであった。
息もたえだえ水中からやっと顔出して、おちょぼぐちでストローで吸うような呼吸などできるものではない。

ノートに書いたタスクを横線で消した端から、新しい課題が次々降って湧く。
わたしの「枠」には、仕事と仕事と仕事がまず入り、次に休息を入れるので、運動や読書の時間などを入れる余地がやせ細ってゆく。

思いついた程度の地盤脆弱な習慣はたやすく仕事の波に呑まれてしまう。
その波がひいて正気に戻ればまた習慣確立の端緒につくが、また波がくる。

毎日、水泳やジョギングなどで一汗かき、温泉にゆっくりつかる。
日が暮れれば天六のいんちょを最強のガイドとしてそのあとにつき、乙で風流な町人的飲み会で視野を開き、酔いがまわれば目が覚める迄ぐっすり眠る。
理想的な暮らしであり、そのようなスローライフであれば自己管理の習慣も根付きやすいと垂涎しつつ夢想するが、そうなると生活できるわけがない。
かつかつの暮らしを余儀なくされる士業者にとって仕事の手を休めるなど夢のまた夢である。

仕事に追われ変化の波を受けても微動だにしない、きょうこころのクリニックの姜院長のような生活スタイルを確立するしかないようだ。
といって、姜院長が言う腹六分目など私に体得できるはずがない。
まずはうち独自の様式といったものの輪郭くらいから見出したいところである。

そして、その上で大阪の美味しい処を味わい尽くすのである。
大阪にはそうであるとは声高に主張することのない名店が数多くひしめいている。

昨日、江戸堀の喜作で昼食をとっていた。
ねぎとろ丼とお蕎麦のセットだ。
ねぎとろ丼というのは、新鮮な青ねぎがメインなのだとその本質に気づかされるほどの逸品である。
蕎麦もほどよい歯ごたえでなにしろ出汁がうまい。

横で肉うどん食う青年が、3倍ウメーと連呼していた。
常連の先輩に連れられてきて、感動していたのだ。
そりゃチェーンの丼やコンビニ弁当食べていたら、優に3倍はウメーだろう。
ここも美味いが、本町の原川もいいぜ、と教えて上げたくなった。
そして、ふと目を上げ、この大海原に点在するはずのまだ見ぬ店屋の数々に想いを馳せたのであった。

来週は会員制だというフグ屋にお誘い頂いた。
フグが会員なのか客が会員なのか。
酒席の前には、田中内科クリニックに寄ってケア受ける事を忘れないようにしよう。
肝臓に何かあったときはカネちゃんが何とかしてくれるだろう。

かつて学校から一緒に帰ったカネちゃんが私の肝臓の切り札になるなんて想像すらしなかった。
つくづく不思議なものである。

つづく