KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

私達は誰とどのように過ごせばいいのだろう1


事務所に到着するとちょうど西宮神社の福男選びの中継が始まる時間であった。
夜も明けない朝っぱら、しかも極寒のなか、白い息もうもうと吹き上げながら我も我もと群衆が大挙し神社の境内を駆け抜ける。
この平和な光景は、私のなかで日本三大風物詩の一つに数えられる。

ちなみに他の二つは、天神祭のギャル神輿商店街巡行であり、今宮戎福娘の商売繁盛で笹持ってこいのお囃子の光景である。


正月の休み明け、仕事のペースに心身馴染みはじめる今の時期、ちょうどえべっさんの頃合いが最も心落ち着く。

昨年の仕事初めは森本クリニックからであった。
ぶらり明石方面に向かう道中に休みボケを振り払った記憶が懐かしい。

今年は1月8日に電話帳の分厚さ思い出すほどに嵩ある申請ごとが3つ重なり休みボケもへったくれもなかった。
クルマのエンジンをかけたときに「今日は勝負の日です」とナビのアナウンスがあってこの日が一か八かの勝負の日であるとはじめて知った。
戦地に向かうみたいにそのアナウンスで気持がキリリと引き締まり、一方で電話帳を見かけなくなったようにこのような申請書類もいつの日かなくなるのであろうと夜明け前の道を運転しつつ先取りの寂寥を感じるのであった。


一月となれば、忘れてはならない。
まもなく花粉前線到来である。

わしお耳鼻咽喉科で鼻の粘膜のレーザー処置をしてもらわねばならない。
やるとやらぬとでは大違い。
健やか鼻の通りのいい春を迎える上で欠かせない。

シェバーで髭剃るほどにも痛くない。
つまり全く痛くない。
麻酔の綿を鼻に詰め待つこと10分。
丁寧に施されても処置にかかる時間は5分程度。
あっと言う間である。

そしてスタッフが素晴らしい。
思い浮かべるだけで気持ちが和む。
親しい身内を訪ねるような気分で通えるクリニックというのはいいものだ。
西宮の人はこの点においても得していると言えるだろう。


昨夕は阪神甲子園駅まで家内がクルマで迎えに来てくれた。
二男も同乗している。
そのままプールに連行された。

二ヶ月ぶりの水泳となった。
寄る年波を感じながらも水とまみれる悦楽に浸る。

水中ですれ違う二男の体躯がますますがっしり成長していて、水中ですれ違ってきた幼い頃からのシーンが数々プレイバックし水だけでなく感傷にも浸るのであった。

まだ泳ぐという家内を残し二男と横並び、満面脱力の間抜け面でジャグジーに横たわる。

振り返れば、かつては毎日このように過ごしてきた。
今の半分の仕事量でも十分に暮らせたのだ。
かつてを回顧しつつ、現状を修正する必要について薄らぼんやり思い巡らせ、もっと自分の日常を大切にして生きようと決めた。


プールから上がって家内を待つ間、姜昌勲の「コミュニケーション回避系男女のための失敗しない会話入門 」をダウンロードし完読する。

コミュニケーションにおいては不快より快の感情で会話空間が構築されることが大切でありそのためには相手に対してポジティブな内容が7割を越えるようにするといいでしょう、と言った話に心ほぐれる。

改正憲法に家族の助け合いについての条文を入れる入れないとの議論があるが、そんなことより姜昌勲のこの言葉の方こそ入れるべきだろう。

体ほぐすにはプール、心ほぐすには姜昌勲である。
朝のニュースを辛坊さんと森さんと一緒に彼がやればいい。
そうすればもっとふんわりした世の中になるのではないだろうか。

いつの日か、あれほどまでのふんわり感を会得してきた、決して平坦ではなかったはずの彼の道程について、じっくりページを繰りながら読んでみたいものである。