KORANIKATARUTOKIDOKI

子らに語る時々日記

悲観的な母親が果たす功績3

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今や早稲田の誇りとなった小保方さんである。
STAP細胞の研究成果はあらゆる側面で山中京大教授のiPS細胞の成果を凌駕する。
偉大なるノーベル賞受賞者の存在を忘却の彼方へ追いやるほどにSTAP細胞の発見は画期的なことであるという。

耳にした話である。
この構図の背景には、東大と京大の対立構造が潜んでいるそうだ。

小保方さんのバックには東大閥があった。
京都大学に一矢報いようとする東大閥の精鋭が、小保方さんに白羽の矢をたて全面的にバックアップした。
医者でもない者が医学研究をしたところで歯牙にもかけられない世界である。
しかし、小保方さんのバックには名だたる東大閥の精鋭が控えていた。

成果が生まれる土壌となるならば、対立構造も善だと言えるのかもしれない。

小保方さんも凄いが、どのようなモチベーションが発端であれ、彼女を見出しバックアップした者らの功績も計り知れない。

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翌朝一番の電車で伊勢に向かう。
伊勢志摩ライナーのサロンカーは快適だ。

長男は車中にて週末課題に取り組み始める。
この後、タクシーやらバス、駅のベンチ、食事が運ばれる待ち時間、移動時間を徹底的に有効活用し次から次へと課題を片付けていく。

寸暇を惜しんで、という言葉があるが、彼の場合は、寸暇「だけ」勤しむ、というスタイルに見えないこともない。
それでもこのような時間活用の態度は尊ばれるべきことであろう。
大人となった際の仕事ぶりが目に浮かぶ。

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関西中学受験においては難関とされるそこそこの学校であればどこであれ、放っておいても自ずと切磋琢磨される環境があり、全く別方向に生き甲斐を見出し隊列を離れる幾人かを除いては、基礎的学力を増進させていく。
そのプロセスで身につく、習慣的な力や性格的なタフネスなどは、そのまま職業生活においても実用となるものであり、各自の毎日を末永く助ける主要素となっていく。

それら見渡せば、飛び抜けた学校もあるにせよ、学校間で喧々諤々するほどの当たり外れは見られない。

だから時折聞こえる、どこの学校でなければならない、どうせならナンバー1の学校を目指すべき、という受験ママのしゃかりき頑なな信念などを耳にするともっと肩の力を抜けばいいのにと感じてしまう。

うちの二男などについては、二男が気に入ったところに決めればいいと思っている。
偏差値が高いほうが見栄えがいいから、といった印象論の域でなされる底浅く実のない外野の声は参考にしないでいい。
どこであれ未来は開けるのだからどのような理由で選んでも構わない。
行事の内容でも教師や在校生の雰囲気でも部活の種類でも何だっていい、衒うことなくシンプルに選んで後は腰落ち着け思う存分十代黄金の6年を過ごせばいいのである。

長男が入ったところも素晴らしい学校であった。
ママ友らもほっと胸を撫で下ろし、日々、その有難味を反芻しているようだ。

ある一定の実績を達成した学校は、もはや、大学合格実績だけを追うような長閑なことはしていないように思える。

単に勉強させるだけでは、将来子らが出力しなければならない「払い」に足らなさすぎる。
せめて示唆に留まるにせよ啓発すべき項目は多岐に渡る。
学校によって付加されるsomething else が何なのか、これも一次情報に接してはじめて理解できる類のものであろう。

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朝から元気のなかった二男であったが、昼食時、頬に触れると微熱を感じる。
ただの睡眠不足ではないようだ。
大好物のうなぎ、しかも津の筆頭はし家の特上なのに億劫そうに食べている。
これは看過していい体調ではなさそうだ。

すぐさま予定をキャンセルし、帰途につくことにする。

福効医院の院長も言っていたが、インフルエンザが大流行の兆しである。
ここ数日暖かいといっても油断禁物だ。

三重にいては子の症状が急変しても、徒手空拳。
戻れば、何かあっても、何とかなる。

ノロウィルスか、インフルエンザか、様子見るより、神様が帰れと言っているのださっさと帰ろうと判断するのが一番正しい。
後は、善は急げ、となるだけだ。

家族4人揃って、伊勢神宮で朔日のお参りをした。
お伊勢参りが果たせたのであるから十分満足だ。

タクシーの運転手いわく、松阪肉ならそこらで食べるより、朝日屋で買って家で食べる方がはるかに安くついてしかも最上の肉が食べられる。
当日メインイベントであった夕飯の松阪牛についてはその言葉で吹っ切れ諦めがついた。
朝日屋に立ち寄り、家内を店へと走らせた。

ネットで直近のアーバンライナーを予約し、帰途につく。
家内とビール飲んでいると、たちまちにして車窓の外は見慣れた光景となった。
たったの1時間余り。
津はあまりに近かった。

駅につき、子らは家へ向かい、私は家内と十字屋で赤と白のワインを買う。
戻ると、長男と二男は公園でラグビーをしていた。

底知れぬ体力をほしいままとする兄弟であった。
うなぎを食べてDXシートで一眠りし、それで全快なのであった。

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ローラースケートの国家的ブームの立役者、北朝鮮の御曹司はよほど気をよくしたのだろう。
学校でのローラースケート履修を義務化した。

しかし、貧しい民はスケート靴なんて調達できるはずがない。
学校に来なくなる子供が増えていく。

御曹司の「良き計らい」によって子らが学校に来なくなる、この一対の作用反作用が彼の国の矛盾を端的に表象している。

学校に来ない子ら一族郎党が「良き計らい」を理解できない愚民として、石打ちの刑などで粛清されたりネズミも住めない山間部へ追いやられるようなことはないだろうか。
手荒にも程がある御曹司のご乱心の様子すら、あり得ないと一笑に付すことができないほどに、聞こえてくる情報はどれもこれも常軌を逸している。

極限状態に置かれ続ける不穏な国が海を挟んで隣接している。

分厚い霧の向こう側で、どれほどの数の人間が恐怖にさらされ、それだけでなく暴力の対象となり、どこまでも虐げられる。
それでも、まさに「対岸の火事」であり、私達は痛くも痒くもなく、たまにニュース報道でその実情を知らされ、一瞬眉をひそめ暗澹とした気持ちになるものの、次の瞬間にはテレビで漫才を見て大笑いしているのだ。

人間だから大笑いはしてもいい。
しかし、何もできないにせよ、そのような人々がいるとせめて心に留めておくことは人として大事なことであろう。